近年、ウェルビーイングという考え方が注目されています。ウェルビーイングとは一般的に「幸福」と訳されますが、将来にわたりウェルビーイングを保つためにはお金は切っても切り離せない関係と言えそうです。そこで今回はファイナンシャルプランナーである山崎俊輔さんの新刊『ファイナンシャル・ウェルビーイング』(青春出版社刊)から幸福度が高まるお金の考え方について抜粋して紹介します。
同じ10万円の旅行
喧嘩をするのか楽しむのか、違いはどこにある
同じ1000円、同じ10000円を使うのなら、気持ちよく使い、そのお金で幸せを感じるべきです。しかしこれが難しい。
例えばこんな話を聞いたらどう思うでしょうか。
ある老夫婦がたまには旅行でもと思い立ち、箱根の強羅花壇あるいは富士屋ホテルのような高級旅館の予約を取りました。
ところがふたり、行きのロマンスカーに乗った段階で「やっぱりこれはムダづかいじゃないのだろうか」「そっちが行きたいと言い出したんだろう」「こんな贅沢をして20年後も大丈夫なのか心配だわ」と言っています。
少し険悪な雰囲気のままチェックインをしたあとも喧嘩は続き、豪華な食事は味もわからず、ふわふわのベッドも落ち着かないまま一夜を過ごします。