ジャニーズ事務所は自身にとっての
「性搾取システム」だったのか
「性加害」は事実を素直に認めて謝罪をして、被害者への補償をしっかりやれば、時間はかかるが、まだ再起の道は残されている。しかし、「性嗜好異常」に関しては打つ手がない。これが認定されてしまうと、所属アイドルの商品価値は著しく毀損されて、ジャニーズのアイドル事業自体が再起不能に追いやられる恐れがある。
調査報告書の中では、ジャニー氏が20歳の頃に当時8歳の少年を毒牙にかけてから常習的に中学生世代(13歳から15歳)を中心に、性加害を繰り返していたとしてこう結論づけている。
「性嗜好異常」とは、通常は性欲を喚起し得ないものに対し、強烈な性的興奮を覚えることを呼ぶ。代表的なものはフェティシズム(性的な興奮や衝動の対象の異常)、服装倒錯、性的マゾヒズム、性的サディズム、そして小児性愛(13歳以下の児童に性的興奮を覚えること)だ。
ジャニー氏は60年に及ぶ性加害歴から、この小児性愛だった可能性が高い。もちろん、このような性嗜好異常を持つ人の全てが、ジャニー氏のように寝ている少年の布団に潜り込んで性加害をするわけではないが、小児性愛は性加害につながりやすいという側面もある。
外部の専門家チームは、このようなジャニー氏の「小児性愛」という性嗜好異常を認定するとともに、それが性加害の原因だとまで断言している。これはジャニーズ事務所にとって「死刑宣告」をされたのも同じだ。
なぜかというと、ジャニーズ事務所の代名詞である、ダイヤの原石のような少年を発掘し、合宿所で育成して、国民的アイドルグループにする、というビジネスモデル自体が、実は小児性愛者が逮捕されることなく自身の欲望を発散するために考案した「性搾取システム」だった可能性もある、と指摘されているようなものだからだ。