世間一般の目は厳しい
海外の目はもっと厳しい
被害のあるなしは関係なく、「ジャニーズアイドル」を見る目はどうしても変わってしまう。今回の外部の専門家の会見を、筆者は飲食店のテレビで見ていた。隣にいた10代の女性たちが、ジャニー氏の性加害が認められたというアナウンサーの説明を聞いて、「うわっ、気持ち悪い」と言っていた。中には、「じゃあ今いる人たちもそういう被害にあったってこと?」なんて友人に尋ねていた。
会話からすると、彼女たちは韓国のアイドルグループのファンのようだった。厳しい話だが、これがジャニーズファンではない人々の素直な反応なのだ。
ファンからすれば、「根拠のない憶測を言うな!」「セカンドレイプだ!」と怒り心頭だろう。
だが、外部の専門家が「性加害」を認定して、その原因をジャニー氏の「性嗜好異常」だと断定したと聞けば、一般の人は、だったら今活躍しているアイドルは、どうなのかと思うのは当然だ。これだけ多くの中学生世代が毒牙にかけられているのに、彼らだけ無傷だと考える方が無理がある。「これから気をつけます」なんて声明を出して幕引きを図るテレビ局のスタンスが異常なのだ。
これが海外で報じられれば、かねて指摘される日本のロリコン文化、児童ポルノの問題などと結びつけてくる海外メディアも現れるかもしれない。そうなると、国連の人権委員会もまたなんやかんやと言ってくるだろう。
日本人の多くはジャニー氏が小児性愛者だと認定されたと聞いても、「ふーん、前から言われていたことがようやく公に認定されただけじゃん」と思うかもしれないが、児童の性的搾取に厳しい海外の嫌悪感は激しい。この件は我々が思っている以上に、まだまだ大騒動に発展するかもしれない。
(ノンフィクションライター 窪田順生)