両親の「自宅喪失」を防ぐ
有効な方法は?

 これを止める有効な方法は「親子間の会話」だと筆者は考える。振り込め詐欺と同様、身内の注意喚起があれば防げる可能性が高い。帰省が難しいならば、電話をかけて「リースバックという、下手をすれば大損する不動産取引があって、問題になっているから気を付けて」と言うだけでもいい。

 それでも心配なら、実家を共有名義にするのもいいだろう。子どもの持ち分が少しでもあれば、子どもの同意がないと売却できなくなる。贈与税を取られるのが癪(しゃく)だという場合は、ほんの一部だけを買い取って、司法書士に登記してもらえればいい。

 こんなコラムを書かなければならないのは、不動産業界にいる者として大変申し訳なく思う。だが筆者は、自社の利益のために消費者に不当な契約を課し、時として自宅を取り上げる事業者を許す気はないということを、ここに記しておく。