誘ってくれなかったことへの
不満の伝え方
自分以外の友だちが遊びに行くと聞いて
レン あ、ああ。なんかユウタ、忙しそうだったから。誘ってほしかった?
ユウタ (ちょっとムッとして)別にいいんだけど。
→別にいいんだけど
こんなふうに言ってみよう!
→忙しいけど、声くらいはかけてほしかったな
本心と裏腹の「いいんだけど」でごまかさない
「別にいいんだけど……」という言葉は、本当はイヤだなと思っているときによく使う言葉です。不満な気持ちを抑えて、言葉のうえでは納得しているように見せていますが、「けど……」の部分には不満だと暗に伝えたい気持ちが隠れています。
まずなによりも、自分の本当の気持ち(イヤだ、不満だ)に気づいて、自覚することがとても大切です。そして、その気持ちを素直に言葉にしてみましょう。会話例のような場面で「誘ってほしかった」と言うのは負けた気がしてイヤだという人もいますが、コミュニケーションは勝ち負けではありません。
レンは、ユウタが忙しそうだから、遠慮して誘わなかったと言っています。誘っても来ないだろう、迷惑かもしれないという雰囲気があると、相手も声をかけにくいもの。
人を誘うには、小さな勇気が必要です。ましてや、思い切って誘ったのに断られてしまったらがっかりしてしまいますよね。
そう考えると、誘えば乗り気で来てくれる、断るときも「今回はどうしてもダメだけど、次は行くね」などと言ってくれる人のほうが誘いやすくなります。声をかけてほしいのであれば、普段から「今度遊びに行くときは、誘ってね」などと、自分も誘われたら行きたいと思っていることを言葉にしてアピールしておくといいですね。
黙っていても、誘われたいと思っていることに気づいてほしい、それくらいわかってほしいというのは、人に配慮を求める「察してちゃん」です。
気持ちは言葉にして言わなければ、相手には伝わりません。黙っていてもわかってくれるはずだというのは、無理な話だと理解しておくことはとても重要です。
それよりも、自分のそのときの気持ちや状況をきちんと言葉にすることで、「部活が大変でも、遊ぶ時間をつくれるんだな」「忙しくても、誘っていいんだな」と理解してもらうほうが、相手も自分もずっとラクにコミュニケーションができます。