英語をたくさん勉強したのに、いざとなると全く言葉が出てこない――そんな人に読んでほしい1冊が『中学英語だけで面白いほど話せる!見たまま秒で言う英会話』だ。「イラストを眺める→見たままを英語にする」を繰り返すことで、日本語を介さずに瞬時に即答する「英語の反射神経」が鍛えることができる。実践的なスピーキング力を養うための最適な1冊だ。本稿では、著者の森秀夫さん(麗澤大学外国語学部教授)に「英語を話せるようになるためのトレーニング」について話を聞いた。
英会話で重要なのは「即興で話す力」
ーー『見たまま秒で言う英会話』は、どのような狙いで作られたのでしょうか?
森秀夫(以下、森):この本の特長は、イラストを見て、すばやく英語で応える練習ができる点です。
なぜこのような本を作ったかといえば、実際の会話では「即興性」が求められるからです。
英単語の意味やスペルを必死になって覚えても、使うときになって、口からサッと出てこなくては、それらの英単語は役に立ちませんよね。
何十秒も黙ったままジッーっと頭の中で単語や文法を検索して、ゆっくり話し始めていては会話になりません。
「英語を話せるようになりたい」と思ったら、難しい単語や文法をたくさん覚えることよりも、すばやく相手とやり取りする「即興性」が大切なのです。
シンプルで基本的な表現を「自分のもの」にする
ーー即興のコミュニケーション能力を伸ばすためには、何をすればいいのでしょうか?
森:まずは中学で学ぶレベルの英語を「自分の言葉」としてスラスラ使えるようになることです。
中学校の英語と聞いて「そんなのは簡単だよ」と思う人も多いかもしれませんが、あなどってはいけません。
私は大学の教員としてたくさんの学生を見てきましたが、レベルの高い英語の入試を突破してきた学生たちも、いざ話すとなると、中学レベルの英語をスムーズに使いこなせるわけではありません。
"Learners learn to communicate by communicating."という表現があるように、英語を使うことでしか、英語のコミュニケーション能力は育ちません。
ですので、英会話に苦手意識がある人にとっては、中学英語のレベルから始めて、シンプルで基本的な表現を「自分のもの」にすることが大事なのです。
実は中学校の教科書には、日常会話に必要な英文法や表現がたくさん掲載されていて、中学英語を使いこなせるようになれば、英会話力は飛躍的に向上します。