6. スタテンアイランド・フェリー ~いつだって上昇志向でいたい~ 『ワーキング・ガール』

ニューヨーク「憧れの映画ロケ地」7選!オードリー・ヘプバーン、ニコラス・ケイジ…名優の聖地巡礼スタテンアイランドとマンハッタンを行き来する、通学・通勤用フェリー

 ニューヨークは居住エリアによって、生活レベルの予想がつく都市です。マンハッタン住まいなら標準以上、クイーンズやブルックリンなら一般庶民というのが概ねですが、もちろんそれぞれ例外もあります。

 スタテンアイランドは、通勤や通学で島外から出る交通手段が車かフェリーに限られ、ニューヨーク市の主要交通網である地下鉄がつながっていません。マンハッタンへのアクセスの悪さから、ニューヨーク市の5つの行政区の中では、家賃は比較的安く、ブルーカラー(事務職以外の仕事)の白人が多く住むと言われます。

 1988年の映画『ワーキング・ガール』(原題:Working Girl)では、マンハッタンのオフィスで働くテス(メラニー・グリフィス)が、スタテンアイランドで恋人と同棲中。派手な髪型と化粧の外見とは裏腹に、夜学に通いキャリアアップの野望を抱く上昇志向の会社員。互いに求めるものが違う恋人(彼女の誕生日プレゼントに下着をくれるセンス)や、代わり映えのしない仕事(と上司)の現状から、自らのパワーで人生を切り開いていくストーリー。ラストシーンは求めるものを目指していけば人生は面白くなると信じさせてくれ、胸がスカッとします。オープニングに流れる曲も秀逸で、何度も見たくなる大好きな映画です。

 テス(メラニー・グリフィス)の同僚(ジョーン・キューザック)が、彼女の秘書のふりをしてくれ、来客(ハリソン・フォード)に飲み物がいるか尋ねるシーンが面白くて印象的。アメリカ人は来客に対しても随分フランクなのねと感じるシーンです。ちなみにニューヨークの女性会社員は、現在でも『ワーキング・ガール』のようにスニーカー(あるいはぺったんこな靴やサンダル)で通勤している女性がほとんど。オフィスでヒールの靴に履き替えています。地下鉄の昇り降り、道路の舗装状態の悪さから、ヒールで通勤するのは危険だからです。

『ワーキング・ガール』名セリフ

“Can I get you anything? Coffee? Tea? Me?”
何かお持ちしましょうか。コーヒーか紅茶、それとも私がいいかしら?(意訳:青山沙羅)
Working Girl (1988) IMDb
スタテンアイランド・フェリー
英語名 The Staten Island Ferry
営業時間 約30分毎 年中無休 詳細はスケジュールを参照
スケジュール https://siferry.com/schedules/
住所 4 Whitehall Street New York NY 10004(マンハッタンからの乗船所)
URL https://siferry.com/
撮影された映画 『ワーキング・ガール』、『10日間で男を上手にフル方法』、『スパイダーマン ホームカミング』など