多発性骨髄腫と診断されるのは衝撃的なことかもしれない。しかし心強いことに、市場には患者の延命を可能にする効果的な新療法がますます増えつつある。細胞療法は大いに期待される分野であり、米製薬大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(JJ)が開発した治療薬「カービクティ」の臨床データが医学界とウォール街を興奮させている。今年公表された後期治験結果によれば、カービクティは標準的な治療法と比べ、再発リスクを74%低減させることが分かった。重い副作用が出る可能性があるものの、有効性は専門家が状況を一変させると見なす水準だ。ただし、そこには大きな問題がある。JJとその提携相手であるレジェンド・バイオテックが需要に追いついていないのだ。つまり、待機リストに掲載されたままで死亡する患者がいることになる。両社はできるだけ迅速に生産規模を拡大することを約束しているが、簡単ではないだろう。これはJJに限ったことではない。競合するブリストル・マイヤーズ・スクイブが販売している類似の治療薬「アベクマ」も、生産面で問題に直面している。
このガン治療薬は有効、課題は増産
多発性骨髄腫向け「カービクティ」、J
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