「いつか、子ども欲しい」けど、結婚していない。まだ、子どもは考えていない。婦人科に行くのはハードルが高い……という人が、正しい知識をもとに、今後「子どもが欲しい」と思ったとき、すぐに妊娠できる体に整えておくために、今すぐできること紹介した書籍『結婚していない。けど、いつか子どもが欲しい人が今できること』。38歳から不妊治療を経験した産婦人科専門医が、卵子と卵巣の老化を防ぎ、産める年齢を少しでも引き伸ばしておくために「やっておけばよかった!」と思うことを紹介しています。今回は、本のコラムで紹介した、26歳で早発閉経(早発卵巣不全)と診断された千種ゆり子さんに聞いたお話を抜粋・編集して構成し、紹介します。(全3回)

26歳の時に「早発閉経(早発卵巣不全)」と診断されました

【結婚の予定はないけど、不妊治療】26歳で早発閉経と診断された千種ゆり子さんのお話 (2)写真・よねくら りょう

卵子の元になる原始卵胞の数は、お母さんのお腹の中にいる赤ちゃんの時が最大で、あとはどんどん減っていきます。その減り方のスピードが極端に速く、40歳になる前に閉経してしまう人が「早発閉経(早発卵巣不全)」です。
最初は「ストレスで、ホルモンバランスが乱れているのかな?」と思う程度でしたが、徐々に更年期のホットフラッシュ(ほてり・のぼせ)のような症状が出るようになり、26歳の時に「早発閉経」と診断された千種ゆり子さん。
すぐに結婚する予定はなかったけれど、将来、子どもを望んでいたので「卵子があるうちに採卵し、凍結しておかなければ」と思い、不妊治療を始めることを決意されました。(ここまでの経緯・最初におかしいと思った時の症状は①へ)

しかし、当時通っていた青森のクリニックは本格的な治療を行える環境が十分でなかったのと、仕事の都合ですぐに青森を離れることができなかったので、いざ不妊治療をスタートしようと思ってから、東京に戻って実際に治療を始めるまでには1年ほどかかってしまいました。
今思えば、1年のタイムラグは大きかったですね。

すでに自然の生理はほとんどなくなっていたため、治療では、排卵誘発剤の注射を打って排卵を起こし、卵胞が育っているかを病院で確認。育っていれば採卵することになっていました。
毎日同じ時間、夜7時に排卵誘発剤の自己注射を打つのですが、当時はシフト制で、働く時間が不規則だったため、勤務時間中に打たなければならないこともありました。
お弁当に紛れ込ませて保冷剤と一緒に冷蔵庫に入れ、トイレ休憩に行くのを装って打っていましたね。