イノベーションに必要な2つのこと
箕輪:尾原さんがものすごく編集者チックなのは、人間関係のハブをやっていることです。
話題の人と興味を持って話して、人とつなぐことを繰り返すうちに、ハブ空港みたいになって、飛行機が飛んだり着いたりして、いろんな人が交わる場所になる。そこは僕に近いですよね。
尾原:そうなんです。イノベーションは今までつながらなかったところがつながるときに発生するから、僕の場合はひたすら遠くをつなげます。すると、そこにビックリマークが生まれる瞬間があるわけですよね。そのときに「これが次のキーワードだ」となるのが、僕の魂のごちそうです。
ただしビックリマークが起こるには、次の2つがないとダメなんですよ。一つは、新しい掛け算が起きるくらいの適切な距離感です。次の時代が起きるときには、離れすぎているとタイミングが早いし、近すぎるとすでに出会っているんです。
箕輪:確かに尾原さん、そのへんがうまいわ。
尾原:もう一つは、価値観が合うことです。そこは箕輪さんと通底するところなんですけど、人と人を会わせる時って、カルチャーや価値観がそろっていない人を会わせてもロクなことが起きないじゃないですか。特に怪獣人間同士はそうです。
イノベーションは企業から起きるんじゃなくて、個人から起きる時代になったから、個人をどう掛け算するかです。
箕輪:おもしろい。
尾原:「怪獣人間」って、すでに巨人としてどこかの分野を支えている人だけじゃなくて、新しいテクノロジーをやろうとしている人たちもそうですよね。そんな方々と出会っていく本としてもよくできていますよね。