反射神経とアプローチの熟考
尾原:箕輪さんと僕の共通点って、一つは反射神経的に新しい情報にパッと行ける、情報との接触が日頃からできていることです。
もう一つは相手への光の当て方を考えていることで、こういった反射神経とアプローチの事前の熟考が大事ですよね。箕輪さんは、いつからそれができるようになったんですか?
箕輪:友達と飲んでいるだけの「ド・文系人間」が起業家界隈にいることで、希少性が発揮できているだけですね。僕が広告代理店の営業に行ったら、けっこういるタイプだと思います。
尾原:『怪獣人間の手懐け方』って、「箕輪さん、ここまで解像度が高いんだ。ヤバい」ということばかりで。なぜこんなに解像度が高くなれたのか、興味を持つわけですよ。
箕輪:話がズレてしまうかもしれないですけど、僕は大学生の頃とか、起業家の成功本ばかりを読んでいたんです。「世の中的に突き抜けたとされる人は何を考えてるんだろう」って、ずっと考えていたんですよね。
例えば、NewsPicksの佐々木(紀彦)さんがトークイベントをやっていたら、絶対に行って最前列で話を聞いていたんですよ。そういうのを聞いて、そういう人たちの思考をインストールして、実際に会って答え合わせをしながら近づいていった感じですかね。
尾原:一方で『怪獣人間の手懐け方』は、「編集者箕輪」だからできるという話があります。そうじゃない場合、どのくらい通用するんですかね。
箕輪:そもそも論なんですけど、仕事なり人生なりに向き合っていると、モヤッとした悩みが出てきますよね。本を読んでいると、ドンピシャの答えじゃなくても書いてあることが何かしら引っかかって、「こういうことかもしれない」と自分の中で答えが見つかることがあると思うんです。
だからこの本が、逆説的でもいいから何かしらのヒントになればいいと思っていて。あえて極端なエピソードとか、僕の再現性のない仕事のやり方とかを書いているんですよ。それが振動になって、自分とまったく関係ない何かを導き出せればいいなと思っています。
尾原:本を読んで別のキャラクターを身にまとうことで、自分の視野とは別の角度から人生が見えるようになることがありますからね。