節約志向の欧米石油・ガス会社のおかげで、サウジアラビアやロシアは政治戦略のための資金を調達しやすくなっている。石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の主要産油国で構成する「OPECプラス」は最近、原油の自主減産を延長したが、欧米の生産者は以前ほどエネルギー価格の上昇に反応しないと見込んでいる。OPECプラスにとってこれは好都合だ。原油価格がバレル当たり90ドルを上回っているにもかかわらず、米油田サービス大手ベーカー・ヒューズによると、9月22日時点の国内石油リグの稼働数は前週比で11基減、前年同期比では134基減だった。米石油大手のエクソンモービルやシェブロンなどは、何年も低水準が続いた株主還元を拡大するよう迫られている。ゴールドマン・サックスのアナリスト、ダーン・ストルイベン氏によると、米上場石油会社は足元で営業キャッシュフローの半分しか再投資に回していない。新型コロナウイルス流行前までは90%かそれ以上だった。
欧米メジャー、原油100ドル視野でも投資低調
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