短時間で成果を出している人がいる一方、頑張っているのに成果が出ない人もいる。この違いは何だろう? 経営の最前線で20年以上、成果上げられる人と上げられない人の差を徹底研究してきた人物がいる。東洋経済オンライン「市場が評価した経営者ランキング2019」第1位、フォーブス アジア「アジアの優良中小企業ベスト200」4度受賞の木下勝寿社長だ。「20年に一冊の本」とミリオンセラー会計士に絶賛された『売上最小化、利益最大化の法則』に続き、「やる気に頼らず楽しく続けられる」と話題となっているのがベストセラー『時間最短化、成果最大化の法則──1日1話インストールする“できる人”の思考アルゴリズム』だ。【がっちりマンデー!!】SNSで、「ニトリ」似鳥会長と「食べチョク」秋元代表から「2022年に読んだオススメ本3選」に選抜され話題となっている。本稿では、本書より一部を抜粋、「最短時間で最大の成果を出す方法」を紹介する。

アイデアを思いついても形にできる人とできない人との決定的な差

アイデアそのものに大した価値はない

「ものすごいビジネスアイデアを思いついた」
「実行したら絶対うまくいく」

 と言う人によく会う。

 でも、そのアイデアは本人が気づいていないだけで、過去に誰かが実行していることが多い。

 特に失敗している場合は記録に残っていない場合もある。

 確率は低いが、思いついたアイデアが過去に実行されていない場合、その理由は次の3つのどれかだ。

1 ニーズがない
2 実行が難しい
3 誰も気づいていない

 1は、その商品・サービスが社会に必要とされていないということだ。

 2は、技術的に難しかったり、マンパワーやお金がかかったりと、商品・サービスをつくりあげるのが難しい。

 3は、うまくいくとすぐに競合が現れ、商品・サービスがマネされ、短命に終わる。

 結局どれであっても、アイデアだけでは価値はない。

 1、2、3を乗り越え、アイデアをビジネスとして形にすることに意味がある。

 「自分はアイデアだけ出して誰かに形にしてもらいたい」と考えている人は、その「誰か」になることを考えるべきである。

これから問われる、
アイデアを「形にする力」

 アイデアを形にする力の大切さを実感したことがある。

 私が起業した2000年頃は「ITバブル」全盛期だった。

 インターネットを活用したビジネスアイデアがたくさん語られていたが、実際に形にできる人は少なかった。

 私よりも若い世代はパソコンやネットには詳しかったが、ビジネスの知識や経験は少なかった。

 若手を支援していたシニア世代は、ビジネスの知識・経験は豊富だが、パソコンやネットのことはわかっていなかった。

 若手はネットビジネスのアイデアは出せるが、ビジネスを構築するノウハウを持ち合わせていなかった。

 そこにシニア世代が資金を投資し、ITバブルが起きていた。

 アイデアと資金はあったが、実行力に乏しかったために、形にならないまま机上の空論で終わったものが多かったのだ。

 たまたま私は年代的に両者の立場を理解できたので、少ない資金でITビジネスを形にすることができたわけだった。

(本稿は『時間最短化、成果最大化の法則』の一部を抜粋・編集したものです)