直接会うことが減り、オンラインでのやりとりが増えてきた今「手書き」文字は「個性」や「人柄」に触れられる数少ないツールとしてビジネスでの大きな武器となります。とはいえ、忙しいビジネスパーソンが字のおけいこに費やせる時間はさほどありません。そんな方に向けた新発想の美文字本が『簡単ルールで 突然、美文字が書ける』。字が苦手な人を長年指導してきた著者・萩原季実子さんが「字がうまく書けない理由」を研究し、少し変えるだけで飛躍的に字がうまく見えるポイントだけをルール化した本で、練習なしでも、誰でも、自分史上最高の「美文字」が書けるようになると話題です。この連載では、本書より抜粋しながら美文字のコツを紹介いていますが、今回は「美文字」になると、いったいどんなことが起こるのか、萩原先生ご自身が経験したエピソードをご紹介しましょう。

営業成績のいい人がひそかにやっている「共通の習慣」とは?Photo: Adobe Stock

ライバルに差がつくのは、たった一枚のカードから

 企業に出張して、ペン字講座を行うことがよくあります。そこで聞いたお話です。

 ある金融系の会社で講座を行った時のこと。保険や金融サービス業界は、ライバルも多く、契約も長期にわたることが多いので、顧客と長く密にコミュニケーションをとれるかが、最も大切になります。

 受講者の方に、普段から顧客とどんな風にしてコミュニケーションをとっているかお聞きしたところ、営業成績のいい保険・金融のプロには、ある共通点がありました。

それは「お客様の誕生日には必ず手書きのカードをおくること」です。

 電話やメールなど、今の時代、便利なコミュニケーションツールはたくさんあります。
年賀状やご挨拶のハガキなども、文章が印字されていることがほとんどですよね。

 だからこそ、営業成績のいい金融のプロはあえて「手書きのバースデーカード」をコミュニケーションツールとして活用しているのです。

 デジタル時代だからこそ、「手書き」は相手に大きな印象を与えます。
また、誕生日は、お正月やクリスマスと違って、そのお客様にオリジナルなもの。ちょっとひと手間加えるだけで、「誕生日を覚えていてもらって嬉しい」「わざわざカードをありがとう」と、会話をするきっかけになり、長くお付き合いができる関係を育むことができるのです。

 そして、「手書き」にはあなたの個性が出ます。ていねいな性格も、だらしない性格も「字」には出てしまいます。だからこそ、好印象を与える文字を書いてほしいと思います。

 私の美文字メソッドは、ひとつの「お手本」を目指すものではありません。美文字に見えるための30のルールがありますので、そのルールをご自身の字に取り入れていただくだけ。字に苦手意識がある人でも、字の形をイチから変えることなく、たった15分で誰でも丁寧で美しい字へと変わることができるのです。

営業成績のいい人がひそかにやっている「共通の習慣」とは?字を美しく書くルールだけでなくバランスよくカードを書くコツも紹介!「簡単ルールで 突然、美文字が書ける」より拡大画像表示