沢井製薬で発覚した後発品の品質問題が、先発品を含め医療用医薬品の供給不安に拍車をかけるのか、医師や薬剤師、患者などから不安視されている。23年4月に医薬品製造販売業許可を廃止した小林化工やジェイ・エス・ディーの完全子会社となった日医工で判明したような製造・検査の不正が組織的に複数の製品で常態化していたとすれば、工場の業務停止も視野に入る。23年度に171億錠の生産を計画する沢井製薬の供給が滞れば、医療機関の混乱は避けられない。
現在のところ不正が判明したのは、「テプレノンカプセル50㎎『サワイ』」という抗潰瘍薬1品目のみ。後発品業界をリードする沢井製薬はもちろん、供給問題に頭を悩ます厚生労働省としては、不正があったとしても、この1品目だけの問題にとどめたいというのが本音だろう。そのせいか厚労省の沢井製薬への対応はどうも厳しさに欠ける。果たして工場の業務停止はあるのだろうか。