さて、今回の発表でもうひとつ明らかになったことがある。それは、「i-ROAD」ベースの実験車と、トヨタ車体「コムス」合計70台を使った実証試験だ。

仏グルノーブル市で2014年末から開始される実証試験のイメージ画。専用の充電ステーションを整える Photo by Kenji Momota
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 場所は、ジュネーブから南へ約100km、フランスのグルノーブル市。フランス政府の次世代都市開発計画「エコシテ」の一環だ。全体イメージとしては、パーク&ライド。そこに、トヨタがスマホ連携のテレマティクスで、“片道での乗り捨て”カーシェアリングも研究する。インフラ整備は、フランス電力公社が行う。

 同実証試験は2014年末から3年間行なわれる。つまり、「i-ROAD」は、本連載既報どおり、日本の超小型モビリティの法整備が終わり普及開始となる2015年以降、日本でも量産の可能性がある。

トヨタ自動車・製品企画部Z-AD(アドバンスド・ヴィークル・プロジェクト)主査・IT、ITS企画部主査の谷中壯弘氏 Photo by Kenji Momota

 以上のように、「i-ROAD」は様々な側面を持つ。その実態をさらに深堀りしたい。

 そこで、企画意図、そしてこれからの量産に向う上での課題などについて、同車の開発責任者、トヨタ自動車・製品企画部・Z-AD(アドバンスド・ヴィークル・プロジェクト)主査/IT・ITS企画部主査の谷中壯弘氏に話を聞いた。本インタビューは2013年3月6日15時から、ジュネーブショー・トヨタブース内で、トヨタヨーロッパ広報部関係者同席で行なった。

ECUでリーンアクチュエーター制御
リチウムイオン二次電池へエネルギー回生も

――三輪車とした理由は何か?

 三輪車ありきではない。まず、ボディサイズから入った。通常の走行環境で、車線専有しないこと、駐車スペースを少なくすることを考慮した。(結果的に)二輪車と同じような(移動体としての)位置付けとなった。(その上で)車両運動を考えると、(二輪車的なボディサイズで車幅が狭いため)旋回時はロールして外へ倒れやすい。そのため、内側に重心を移動することが必然となった。さらに、シンプルな機構システムを考慮していくなかで、三輪車となった。