公道走行認定と補助制度
本格普及への最終段階
国土交通省は2013年2月1日、「超小型モビリティ」に関する重要な発表を行なった。
配布資料には、「超小型モビリティの導入について~公道走行を可能とする認定制度の創設及び先導・試行導入に対する補助の公募~」とある。補助金については、平成24年度補正予算として、3億8100万円を計上した。
同省は2012年6月4日に「環境対応車普及による低炭素まちづくりに向けて」として、超小型モビリティ導入へのガイドラインを公表。今回の発表はそれを具体化し、実行に移すものだ。
超小型モビリティについては本連載で一昨年から、様々な角度から紹介してきた。それがついに本格始動の流れに乗ったのだ。
2013年~2014年が、同認定制度による“実質的な公道での最終実証試験”。2014年に道路運送車両法等の法整備を行なう。そして2015年には、自動車メーカー等から量産車が登場へ、という流れができた。
だが、本格普及に向けて乗り越えなければならないことがある。
それは、自動車の歴史上初となる「消費者が自分たちの力で作り上げるモノ」という、大きなハードルだ。
超小型モビリティは、自動車メーカーから与えられるモノではない。生活の現場にいる消費者が、試行錯誤しながら、自分たちの生活にマッチするカタチを追い求めていかなければならない。軽自動車の誕生以来、約60年ぶりに登場する「新しいクルマ」の主役は、消費者なのだ。
この特殊な現実を、多くの人が理解できていない。そのため、社会のあちらこちらから超小型モビリティに対してポジティブ、ネガティブ、そしてニュートラル、様々な声が聞かれる。