弁済させる荷主の
おかしな言い分

 大事なことなのでもう一度言うが、中身は無事なのだ。こうした状況に、現場のドライバーからは「そんなに段ボールが大事だったら段ボールに段ボール詰めろよ」という至極まっとうな意見が噴出するのだ。

 なぜ荷主はドライバーに弁済させておきながら、商品を渡さないのか。

 その理由をある荷主に聞いたところ、「表向きは、もし正規外のルートで流通した商品によって事故が起きたらメーカーとして対応ができなくなるから。でも、その買い取らせた商品をネットオークションなどで安く売られては困るからという本音も裏にはある」という。

 また、ある運送関係者も、「昔、買取したものを運送会社側が安く売りさばいて、負担を少しでも抑えようとしていましたが、それはメーカー的にアウトらしく。小売で売れば500円なのに運送会社が商品を300円で売ったら自社には1円の利益もないですからね」

 もう一度問う。あなたは段ボールの傷だけで返品を依頼するだろうか。梱包材の傷だけで「弁済」を求めるだろうか。