超ミニマル・ライフとは、「どうでもいいことに注ぐ労力・お金・時間を最小化して、あなたの可能性を最大化する」ための合理的な人生戦略のこと。四角大輔さんの新刊『超ミニマル・ライフ』では、「Live Small, Dream Big──贅沢やムダを省いて超効率化して得る、時間・エネルギー・資金を人生の夢に投資する」ための全技法が書かれてあります。本書より、「仕事で大切にすべき人」「すべきでない人」の見分け方についてご紹介します。
人生を幸せにするのは──お金でも名声でもなく──人間関係である
そろそろ、心のどこかで気付いていることだろう。
人生で一番の課題、それは「人間関係」ということに。
例えば、職場でのストレスの原因についてのアンケートを取ると、人間関係が1位になる(※1)。
上司、先輩、同僚、後輩。取引先のあの人、この人。友人、家族、そして恋人、元恋人……現代人が抱える悩みの大半は、人と人の間に生まれる。
そして、ハーバード大学の成人発達研究所が、700人以上を75年にわたって追跡調査した結果こんな結論に至る。人生を幸せにするのは──お金でも名声でもなく──人間関係であると(※2)。
どうやって大切な人を見つけるか
人間関係が厄介なのは、そこに感情が深く絡みつくこと。
好き嫌いの感情はもちろん、怒りや憎しみ、優越感や劣等感、恐怖心や嫉妬心など、人と人の間にはさまざまな感情が関わりとても面倒だ。
だから、「みんなとうまくやりたい」と誰もが願う。
筆者の前著『超ミニマル主義』では繰り返しこう書いた。
「時間の使い方の真髄はメリハリにあり、その強弱の付け方で人生が決まる」
ここで強調したいのは「人間関係こそメリハリが大切」ということ。全員に好かれるのが無理なように、全員を大切にするのも不可能なのだから。
当メソッドで伝授するのは、ズバリ「仕事で大切にすべき人」の見つけ方である。
「損得勘定」ではなく「直感」に従って行動する勇気
「そんなの簡単。昇進に関わる上司や、営業成績を左右する大手取引先の偉い人だよ」
ビジネスの世界では模範解答かもしれないが、それは「つまらない正解」であり、そこそこの成果にしかつながらない矮小(わいしょう)な発想だ。
本連載で授けたいのは「世間的な基準」ではなく「あなただけの基準」による人物判断であり、「損得勘定」ではなく「直感」に従って行動する勇気である。
だってそうだろう。恋人や友人を打算的に選ぶ人なんていないのだから──いるとしても、決して幸せは手にできないだろう。
大切なのは心の優先順位
社会人であれば、人との出会いは名刺交換から始まる。
多くの人が、「権限を握ってる人」「影響力のある人」「高い地位の人」の名刺を「キーパーソン」に分類しているだろう。
だが重要なのは「あなたの感覚」で判断することだ。
名刺交換では型どおりの挨拶しかしないものだが、年に数人は、第一印象だけで強く興味を惹かれたり、瞬間的に心が通った会話ができる人はいないだろうか。
「この人は素敵だな」「なんだか好きだな」と好感情を抱く人の名刺に、その印象をメモした付箋を貼ったり、名刺管理アプリのメモ欄に書いておくといい。
筆者は、こういった人たちも「キーパーソン」として抜擢し──打算的に選んだ「組織的・社会的な重要人物」以上に──大切にしてきた。
さらにある時期からは、相手が重要人物だとしても何も感じない場合は「キーパーソン」に入れなくなった。