偏差値35から東大合格を果たした現役東大生の西岡壱誠氏によると、頭がいい人の「ノートの取り方」には共通点があり、それを真似することで、誰でも質のいいインプットやアウトプットができるようになるといいます。
本記事では、1000人以上の東大生のノートを分析した結果をまとめた『「思考」が整う東大ノート。』の著者である西岡氏に「どんどん成績が上がる勉強法」について話を聞きました。
「高校2年生で偏差値35」から東大に合格
今回は、偏差値35だった僕が、どうして東大に合格できるだけの学力を得ることができたのか、その方法についてみなさんにお話ししたいと思います。
僕は、高校2年生3月の模試の結果が偏差値35だった人間です。英語の成績が100点満点中3点で、途方に暮れたのを覚えています。
真面目に勉強していなかったわけではありません。むしろ結構頑張って机に向かっていた記憶すらあります。勉強時間は他の学生たちと比べて劣っているわけではないのに、なぜか成績が上がらない、という最悪な状態だったわけです。
予備校の先生の言葉
「どうすれば頭が良くなるんだろう?」と僕が思い悩んでいたときに、とある予備校の先生から、こんなことを言われました。
「西岡くんはきっと、勉強したことが頭に貯まっていっていないんだよ。穴のあいたバケツのように、どれだけ知識を入れても、頭から知識が抜けていってしまっているんだ。いいかい、今日から毎日、夜にこういうことをしなさい。まず、真っ白い紙を用意する。そしてそこに、今日勉強したことの内容を、思いつく限り具体的に書いていくんだ。どんなノートを書いたのか、どんな話を先生はしていたのか、教科書にはどんな内容が書いてあったのか、とにかく思い出せるだけ再現するんだ。」
「白い紙に再現する」勉強法
この話を受けて、僕は毎晩、白い紙に再現する勉強を習慣的にやってみました。何も書かれていないノートに向かって、参考書も何も見ないで、とにかく書き出していくのです。頭の中に入っているはずの情報を、何も書かれていないノートに、30分くらいかけて書き出して整理していく、というただそれだけの勉強法なのですが、これ実際にやってもらったらわかるのですが、想像よりもはるかに大変です。
はじめのうちは、ほとんど何も書けませんでした。勉強したことの1割も再現できず、「自分はこんなに頭に入ってなかったのか」と愕然としました。それと同時に、自分の成績がよくならない理由がわかりました。頭の中にストックされていっていなかったのです。
しかし、めげずに毎晩書き出していくうちに、だんだん再現度が高くなっていきました。1割が2割になり、2割が4割になり……。気がつくと、勉強した内容を8割くらい再現できるようになっていました。
「勉強の前提」が変わると、成績が上がる
これは別に、僕の記憶力が上がったからではありません。
「思い出して白い紙に書き出す」のが勉強の前提になって、「あとで再現できるように、ちゃんと自分の頭で理解しなきゃ!」という意識を持って情報と向き合うことになったことで、普段の頭への入り方が大きく変わってきたのです。
「あとから再現できるように勉強する」ということが当たり前になると、それだけで成績が変わったわけです。
みなさんもぜひ、この方法を試してもらえればと思います。