10月の経済対策に
盛り込むべき「減税」は何か?
政府は10月末をめどに物価高対策や持続的な賃上げ、半導体などの国内投資支援などの5本柱の経済対策をまとめるが、焦点の一つは「減税」だ。
岸田文雄首相は「日本経済が長年続いてきたコストカット型の経済から30年ぶりに歴史的転換を図る」と語り、経済対策の議論を与党に指示した9月25日には、「経済成長の成果である税収増などを国民に適切に還元する」と述べた。
さらに同月27日に開いた政府の新しい資本主義実現会議では賃上げや国内投資の促進を図る企業向けの減税実施を表明した。
これまでの経済対策では、そもそも税収の増加分を国民に還元するという考え方はなく、財政運営上も単年度税収中立の原則の下で減税はできるだけ避けられてきた。
与党や政府内ではにわかに減税を巡る議論が活発化するが、有効な具体策は打ち出せるのか。総選挙近しの観測がくすぶるなかで、バラマキに終わっては意味がない。