日医工のDNAを持つ原薬メーカーに立入検査、これが「医薬品不足」の時限爆弾になる理由写真はイメージです Photo:PIXTA
*本記事は医薬経済ONLINEからの転載です。

 これも日医工のDNAのなせる業なのか──。

 9月末、富山県による立ち入り検査が明らかになったアクティブファーマのことである。医薬品原薬を定められた手順で製造していなかった疑いが生じている。同社ホームページによると、先発品メーカー、後発品メーカー問わず納入しており、医薬品の安定供給がさらに乱れる公算は大きい。親会社である三谷産業の経営も揺らしそうだ。

 アクティブファーマは09年設立の原薬メーカー。設立当初は三谷産業が51%、日医工が49%を出資する共同事業会社だった。しかし、日医工が一連の製造・品質不正問題で富山県から処分を受けた後の21年4月に三谷産業が残りの株式を取得し、完全子会社化している。ホームページ掲載の「製品情報」をみると、19年2月現在から更新されていないが、降圧剤や高脂血症薬といった慢性疾患薬向けのほか、抗不安剤や精神神経用剤、アレルギー用薬、合成抗菌剤などさまざまな原薬を手掛けていることがわかる。