ChatGPT活用の「創薬革命」、16兆円市場で始まった開発期間短縮やコスト削減製薬業界は創薬のプロセスや臨床試験のデータ分析などで生成AIの導入が始まっており、創薬が革命的に変わる可能性がある(写真はイメージです) Photo:PIXTA

創薬に革命的な変化
「リード識別」のステップを数週間で

 製薬会社は、収益の約20%をR&D(研究開発)に費やしており、新しい薬の開発には平均で10年から15年かかる。したがって、R&Dの速度と品質を向上させることで大きな価値を生み出すことができる。

 それにはChatGPTなどの生成AIが大きな力になる。例えば、「リード識別」という薬物発見プロセスのステップでは、研究者が潜在的な新薬のターゲットとなる分子を識別する(注1)。 このステップには、コンピューターに大量のデータを学習させ特徴を見つけ出すディープラーニング技術を使用しても、数カ月かかることがある。

 ところが生成AIを使用することで、このステップを数週間で完了することができる。

 創薬は、特定の疾患を治療するための有望な薬剤候補を見つけて、製品化することだ。従来の創薬方法は試行錯誤に頼るところが多く、コンサルティング会社ガートナーの2010年の調査によると、創薬から市場投入までの平均コストは約18億ドルであり、そのうち約3分の1を創薬コストが占めていた。また、3~6年もの期間を要していた(注2)。

 生成AI技術を導入すれば、大量のデータを利用し貴重な洞察力と予測力を生成することによって、このプロセスを合理化することが可能になる。すでに取り組みは始まっている。