スマートフォンやスマートホームの広まりとともに成長してきたのが、鍵をデジタル化するスマートロック市場。住宅向けBtoCからオフィス向けBtoB領域へと、右肩上がりに市場を拡大し伸び続ける業界の現在地、および、それをけん引するビットキーが目指す世界とは。
スマートロックの普及に拍車!
起爆剤となったサブスク制度
ビットキー代表取締役/CEO。京都大学在学中にベンチャー企業の立ち上げを経験。2011年にワークスアプリケーションズに入社しアメリカ事業などに関わった後、18年にビットキーを共同創業しCCOに就任。2023年6月より現職。Photo by Hiromi Tamura
スマートロック市場は着実に拡大してきたものの、日常生活の中ではスマートロックの認知度や必要性はそこまで高くはない。存在自体を知ってはいても、導入するメリットを感じていない事業者やオーナーも多いだろう。
しかし、日本のスマートロック市場をけん引するビットキーのCEO寳槻昌則氏は「DXの潮流の中で、スマートロックに用いられている技術こそが、欠かせないものとなる」と語る。
ビットキーでは、現在住宅用からオフィス用まで8種のスマートロックを開発、販売している。特徴的なのは販売方法で、日本で初めて法人向けのサブスクリプション(定額利用)を導入した。
「従来の鍵に比べ価格が高いことがスマートロックの欠点で、普及の壁の一つとなっていたため、導入コストを抑えるべくサブスクを採用しました。
それをきっかけとして不動産管理会社などから1万個、2万個といった単位でオーダーが入るようになりました。ただし、価格の話はあくまで入り口にすぎず、最終的には私たちの技術によって物件に新たな価値をもたらせると判断してもらったからこそ、BtoB領域での販売が伸びていると考えています」