配偶者居住権とは?
配偶者をできるだけ手厚く守るために新設されたのが、この配偶者居住権という制度です。
先ほどの例で言えば、自宅の権利を、住む権利(居住権)とそれ以外の権利(所有権)に分離させ、住む権利はB子に相続させ、それ以外の権利はC美に相続させるという形を選択できるようになりました(相続人全員の同意のもと、任意で設定できます)。
住む場所と生活費を確保!
仮に居住権の評価額が2000万円、それ以外の権利(所有権)の評価額が2000万円になったとしたら、B子は居住権2000万円と預金2000万円を相続し、C美は所有権2000万円と預金2000万円を相続。これで法定相続分通りになります。B子は住む場所と生活資金を確保でき、安心です!
一方、C美はどうでしょうか? 「自宅の権利のうち、住む権利は母にあるわけで、それ以外の権利って具体的にどのような権利が残っているの?」と疑問に思う方も多いでしょう。
C美の権利としては、将来その自宅を売却した場合に、売却代金をもらうことができる権利があ
ります。また売却するかどうかを選択する権利もC美が持っていることになります。
(本原稿は橘慶太著『ぶっちゃけ相続【増補改訂版】』から一部抜粋したものです)