肉体的に疲れていれば、わずかな坂でもつらい。「もう歩けない」と思う。しかし元気な時には、それが坂であるということすら気がつかないで歩いてしまう。心も同じである。心理的に疲れている時には、ささいなことをものすごい困難に感じる。
そうなると、どうなるか? 極端にストレス耐性度が落ちてくる。何でもないささいなことが「許せない」ほど大きな問題になってくる。相手のささいな言動にものすごく不満になる。ちょっとしたことにひどく腹が立つ。
一つ一つ悔しいことを毎日関係者に説明をして処理すればいいものを、その感情を抑圧して怒りに蓋をしてしまう。
もう我慢する生き方は、やめた方がよい。今何にしがみついているからそんなに我慢しなければならないのか。今にしがみつく生き方はやめれば、もう我慢しなくてもよい。
アメリカの心理学者デヴィッド・シーベリーが言うように、人間の唯一の義務は自分が自分であることである。あなたが今、その価値にしがみついた生き方をするから、その生き方は価値ある生き方と感じているだけである。今の生き方をやめてみれば、自分はガラクタにしがみついていたと気がつく。