「ストレス耐性が高い・低い」といった言葉を聞いたことはありませんか。ストレス耐性とはストレスにどれくらい耐えられるかのレベルを指しますが、早稲田大学名誉教授で心理学者の加藤諦三氏によると、ストレス耐性は生まれつきではなく生き方の問題。「我慢していると、ストレス耐性度が落ちてしまう」といいます。同じ状況でストレスを感じる人とそうでない人がいるのはなぜか。その理由を氏の新刊『我慢して生きるのは、もうやめよう 「ストレス耐性低めの人」が幸せになる心理学』(青春出版社)より抜粋して解説します。
「ストレス耐性の心理学実験」の意外な結果
アメリカの心理学者マーティン・セリグマンの著作に紹介されていた実験に次のようなものがある。
一つは都会のストレスにどれだけ耐えられるかを騒音で実験するものである。さまざまな音のまじりあった騒音を大学生に聞かせる。そして騒音が耐えられなくなったらボタンを押せば騒音を停止できるグループと、そうでないグループに分ける。
すると騒音が耐えられなくなったらボタンを押して停止できる人々の方が騒音を不快でなく感じるし、その間校正の仕事をよくできる。
さらに次のような実験もある。暴行死体のカラー写真を被験者の学生に見せる。それがどの程度恐怖と不安を与えるかを皮膚の痙攣的な反応で見る。それをGSR(ガルバニック皮膚反応)と言う。