ストレスの9割は刷り込み・思い込みで決まる、上手に逃げる力とはストレス耐性は「ストレスから上手に逃げる力」(写真はイメージです) Photo:PIXTA

「ストレス社会」といわれる現代。さらに、コロナ禍での生活が長期化する中、以前よりもストレスを強く感じる人が増えているのではないでしょうか。実は、同じ原因に対してストレスを強く感じやすい人とそうでない人がいます。その違いはどこにあるのでしょうか。そこで今回は、精神科医・和田秀樹さんの新刊『ストレスの9割は「脳の錯覚」』(青春出版社)から、人が「ストレス」を感じる仕組みについて抜粋紹介します。

ストレスはなぜ生まれるのか

 まず、ストレスがなぜ生まれるのか、について考えてみましょう。たとえば、こんな悩み、多くの人が抱えているのではないでしょうか?「あのパワハラ上司、そばにいるだけでストレスで…」しかし、この言い方は、ストレスというものに対する誤解がひそんでいます。

 ここでストレスと呼ばれているのは本来、「ストレッサー」と言われるものです。ストレッサーとは、「人にストレスを与える刺激」のこと。たとえばパワハラ上司、失恋や失業など、ストレスの原因にあたる物事や人物が、ストレッサーです。

 一方、「ストレス」は、ストレッサーによって生じた、心や身体の反応のことをいいます。ここで大切なのは、「同じストレッサーでも、強いストレスを感じる人もいれば、まるで感じない人もいる」ということです。ストレスは、その人の感じ方、すなわちストレッサーの解釈の仕方によって大きく左右されます。