米連邦準備制度理事会(FRB)が前回利上げを行った7月以降、長くは維持できないとFRB当局者が考えている二つのことが同時進行している。経済活動の活発化とインフレの鈍化だ。このためFRB内では従来の経済モデルにどれだけ従うべきかという議論が巻き起こっている。ただ、今週開かれる連邦公開市場委員会(FOMC)にこの議論が影響を与える可能性は低い。FRBは過去2年間の急激な利上げの効果を見極める時間を設けるため、今回は金利を据え置くとみられる。過去1カ月間の長期金利の急上昇が事実上、FRBの利上げの代わりになったと見る向きも多く、判断を急ぐ必要性も薄れている。しかし、FRB内の議論は次の展開に影響を与える可能性がある。FRBは12月以降も利上げの可能性を残すだろう。実際に利上げするかどうかは、インフレと経済成長に関する今後のデータ、そしてそのデータをどう解釈するかという内部議論の結果次第で決まる。