アルファロメオ・トナーレPHEV・Q4ヴェローチェアルファロメオ・トナーレPHEV・Q4ヴェローチェ/価格:6SAT 740万円 Photo by Koujirou Yokota

将来的に全車のBEV化を宣言しているアルファロメオから新時代を告げる電動車がデビューした。トナーレPHEVは、1.3Lターボと前後2モーターで構成。システム出力280ps、EVとして72km走る!

アルファロメオにようやく復活の兆し
ジャストサイズのSUVが登場!

 アルファロメオにようやく復活の兆しが見えてきた。キッカケはジャストサイズのSUV、トナーレだ。FRベースのDセグメントモデル、ジュリアおよびステルヴィオはその高い性能と優れたデザイン性にもかかわらず、大ヒット作にはならなかった。日本においては当初ナビシステムが純正で装備されず、加えてあまりにクイックなステアリングフィールがとくにSUVのステルヴィオでは敬遠された。大きめなボディサイズや価格の問題もあって、ミトやジュリエッタといった小型アルファからの乗り換え層を吸収できなかったことも響いた。

 その点、トナーレは現実的だ。ボディサイズは4530×1835×1615mmと手ごろ。しかもアルファロメオらしいデザインセンスはそのままに新たなHVパワートレーンを得て発売された。48VマイルドHVシステム搭載グレードに加えて今回、本命というべきプラグインハイブリッドグレードが追加されたことでブランドへの注目度も再び増す。本格的な電動ブランドへの第一歩だ。

 トナーレPHEV・Q4の基本メカニズムはプラットフォームを共有するジープ・レネゲード4xeと同様である。フロントに最新の1.3L直4ターボ“マルチエア2”エンジンと主に回生を担う小型モーターを積み、リアアクスルに駆動を担当する94kWの電気モーターを置く。前後の異なる動力源の間には、当然ながら物理的なつながりはない。電子制御によって駆動力配分はつねに最適化されている。バッテリー容量は15.5kWhと十二分。最大で72kmのEV走行レンジを確保した(WLTCモード)。システム総合出力は280psと、このクラスのSUVとしてまずは十分な数字だ。