スマホ時代になって、長い文章が嫌われるようになった。そこでコピーライティングの第一人者、神田昌典氏25年の集大成『コピーライティング技術大全──百年売れ続ける言葉の原則』の中から、スマホ時代に対応した「適度な行間を取るテクニック」を抜粋して紹介する。

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証拠や数値が欠落していないか?

 書き上げたLP・セールスレターをリリースする前に、もう一度、全体像を確認しておこう。

 特にLP・セールスレターを書き始めの頃は、書くこと自体に必死で、全体像が見えなくなる。結果として多くの抜け漏れが発生する。

 一方、ベテランも油断してはいけない。慣れが落とし穴となる。

 感覚的によし悪しを判断するようになったら危険信号だ。

 納得のいくヘッドラインが書けると、それだけでよいLP・セールスレターが書けたような気になる。

 しかし、ベネフィットは明確に書けているか? などチェックすべき箇所がある。

 「なんとなくいい感じ」という抽象的な感覚に頼ってしまうと、全体として訴求力の弱い=購買につながらないものになってしまう。

 特に既存客向けレターが中心になってくると、いざ新規客向けレターを書こうと思ってもなかなかうまく書けない。

 新規客に必要な「これはすごい」と思える証拠や数値が欠落していたりする。これでは新規客には見向きもされない。

圧倒的に多い「価格」と「CTA」の欠落

 また、LP・セールスレターを書き始めた頃に多いミスが、価格とCTAが抜けていること。

 そんなこと、あるはずないと思うかもしれないが、我々の講座で数多くの添削をやっていると、受講生から提出されたLPには、肝心要の価格やCTAがないケースが驚くほど多い。

 実は、右にある「PMMセルフチェックシート」は、我々のコピーライティング講座で提出されるLPを評価するために開発したものだ。

 我々の講座では、提出されたLPを2、3日で評価し、フィードバックしなければならない。

 その数は、一度に50人以上になることもある。

 数が多いと、一定の評価軸が必要になる。感覚だけに頼っていると、最初と最後で判断基準が変わったり、判定者によって評価が変わったりする。

 また、同じ人でも日によって見方が変わったりする。

「PMMセルフチェックシート」とは?

 数々の試行錯誤から、「インパクトのあるLPとはどんな要素を備えているべきか?」を我々が現場でつくり上げたものが「PMMセルフチェックシート」なのだ。

 これは、我々がどんな点を重視して、LPを見ているかをまとめたものでもある。

 「PMMセルフチェックシート」は、自分が書いたLP・セールスレターを自分でチェックできるだけでなく、部下など他の人が書いたものをチェックするときにも重宝する。

チェックシート項目を最初から頭に入れてLPを書く裏技

 また、ウラ技だが、このチェックシート項目を最初から頭に入れてLPを書く方法もある。

 これは有効だが、この場合でも常にわかりにくくなる危険性は十分あるので、リリース前にきちんとチェックしておこう。

【第一人者が明かす】LP・セールスレターで抜けているものワースト2

(本原稿は、神田昌典・衣田順一著『コピーライティング技術大全──百年売れ続ける言葉の原則』からの抜粋です)