30歳までに糖尿病と診断されると
寿命が14年短くなる可能性
人生のより早い時点で2型糖尿病と診断されるほど、寿命が短くなることを示唆するデータが報告された。30代で診断された場合、50歳時点の余命が14年短くなる可能性があるという。英ケンブリッジ大学のEmanuele Di Angelantonio氏らの研究によるもので、詳細は「The Lancet Diabetes & Endocrinology」10月号に掲載された。性別で比較した場合、女性でより大きな影響が認められるという。
この研究では、2件の大規模疫学研究を統合したデータが用いられた。そのうち1件は、心血管疾患に関連する潜在的なリスク因子探索のための国際共同研究(Emerging Risk Factors Collaboration)であり、別の1件は英国で行われている「UKバイオバンク」。高所得国を中心に19カ国、151万5,718人(平均年齢55.0±9.2歳、男性45.6%)のデータが解析された。
2310万人年の追跡で24万6,670人が死亡。2型糖尿病と診断されていた人は、その診断時年齢が若いほど全死亡(あらゆる原因による死亡)リスクが高いという、線形の用量反応関係が認められた。全死亡のハザード比(HR)は、診断時年齢が30代の場合は2.69(95%信頼区間2.43~2.97)、40代では2.26(同2.08~2.45)、50代で1.84(1.72~1.97)、60代1.57(1.47~1.67)、70歳以上1.39(1.29~1.51)。
50歳時点の平均余命を米国の非糖尿病者と比較すると、30歳で診断されていた場合は14年、40歳で診断されていた場合は10年、50歳で診断されていた場合は6年、それぞれ短縮すると計算された。同様にEUの非糖尿病者と比較すると、同順に13年、9年、5年短くなると計算された。