性別に解析すると、女性は糖尿病と診断された場合の余命が、男性よりも短縮するという結果が示された。例えば米国の非糖尿病者と比較した場合、50歳時点の平均余命は男性では、診断時年齢が30代であれば約14年、40代なら約9年、50代なら約5年短縮するのに対して、女性は同順に約16年、11年、7年の短縮と計算された。
2型糖尿病の発症予防は
社会的な緊急課題
論文の筆頭著者である同大学のStephen Kaptoge氏は、2型糖尿病という疾患について、「この疾患はハイリスク者を特定した上で、行動変容を促すことやリスクを抑制する薬剤の処方などのサポートによって、発症を抑制できる。発症後には生活のさまざまな側面に影響が及ぶことを考慮すると、2型糖尿病の発症予防を社会的な緊急課題とすべきと言える」と解説している。なお、国際糖尿病連合(IDF)は2021年の世界の成人糖尿病患者数を5億3700万人と推定している。
糖尿病発症後に血糖値などの治療が不十分な状態が続いていると、心臓発作や脳卒中、腎臓病、がんなどの合併症の発症、および、それらによる死亡のリスクが増大する。今回の研究で示された糖尿病患者の余命短縮も、多くはそれらの合併症が原因だった。
論文の共著者の1人である英グラスゴー大学のNaveed Sattar氏は、「われわれの研究結果は、2型糖尿病を発症する年齢が若ければ若いほど、合併症の負担が大きくなるという従来からの考え方を裏付けている。しかし、スクリーニングによる糖尿病の早期発見とその後の集中的な血糖管理によって、糖尿病による疾病負担を抑制する余地のあることを示すものでもある」と強調している。(HealthDay News 2023年10月5日)
https://www.healthday.com/health-news/senior-health/diabetes-2665786241.html
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