いま投資すべき8つの投資テーマ
日本の株式相場が上がるとすれば、どんなテーマに投資をすればいいのでしょうか。前回の記事で、「株価=利益×PER」であり、「PER≒期待値」だとお話ししました。注目の投資テーマとは、まさに期待値が高い分野でもあり、PERの上昇、ひいては銘柄の株価上昇に寄与します。時代のサイクルによって投資すべきテーマは、常に変化しています。それらを敏感に察知して適切に投資していくことが大切です。
2024年の注目テーマの一つが「パリ五輪」。東京五輪ほどではありませんが、日本経済にも注目です。東京五輪以降「スポーツ」メーカーの株価が堅調であったことは確かで、パリでも同じことが言えるのではないでしょうか。
忘れてはいけないのが「インバウンド」。すでに第一陣が来ていて、第2波、3波とどんどん数が増えていくと見られています。今の段階で、中国からの観光客は押さえつけられていますが、日本にやってくるのも時間の問題でしょう。
懇意にさせてもらっている経営者から聞いた話なのですが、今10万円近くするような高級料亭の予約がまったく取れなくなっているそうです。主な要因は2つあって、一つはインバウンド。外国の「富裕層」が日本に来たときに美味しいご飯を食べにいくパターンです。そして、日本の富裕層も円安で黙っていれば資産が目減りしてしまいますから、使ってしまおうと考える。普通の人はインフレによる生活苦で節約志向になっていますですが、反対に富裕層の支払い意欲は高まっているのです。
しかし、日本には超がつくような富裕層を受け入れられるビジネスが存在していないのが現状です。日本企業には、とにかく安くものを作ろうとしすぎる傾向があります。そうした「安くていいもの神話」から脱却し、付加価値があって高くていいものを提供する富裕層ビジネスが日本でも広まっていく可能性があります。
その他に注目したいテーマとしては、2024年問題を抱える「物流」です。「自動運転」なども絡んでくる分野であり、大きく伸びる分野だと期待しています。
2025年の「大阪万博」に関連する話になりますが、クオリプス(4894)という会社は、実際に自分の目で確認し、大変なことをしようとしているものすごい企業だと感じました。「再生医療」を手掛けるベンチャー企業で、iPS細胞を活用した心筋細胞シートを開発・製造しています。心不全は心筋が衰えることにより、心臓が機能を停止してしまうことによって引き起こされますが、この心筋シートを手術によって心臓の外側に貼ることで、心筋を復活させることができると言います。つまり、心不全で亡くなる人がいなくなる画期的な治療法なのです。心臓移植はドナーが現れない限り、行うことができませんが、心筋細胞シートを使えばドナーを待つ必要はありません。実は、この技術が万博の目玉の一つになると言われています。
2024年の相場は株高になる可能性が非常に高いです。この大きなチャンスを逃すことなく、流れに逆らわない投資テーマを探して、定性情報も活用しながら企業を選んでみてください。