AI産業戦争 米中覇権に呑まれる日本#7Photo:NurPhoto/gettyimages

米国でAI(人工知能)インフラへの巨額投資競争が激化している。その先頭を走るのが、ソフトバンクグループの巨額支援を追い風に急拡大するオープンAIだ。その背後では、米エヌビディアのGPU(画像処理半導体)を奪い合うように、グーグル、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コムといった米巨大テックが設備投資を雪だるま式に膨らませている。特集『AI産業戦争 米中覇権に呑まれる日本』の#7では、米国市場で膨張するAI巨額投資の構図と“AIバブル”のリスクを、一目で分かる図解で読み解く。(ダイヤモンド編集部 村井令二)

米巨大テックのAIバブルの構造とは?
オープンAI「210兆円投資」の衝撃

「投資額は巨大化しているが、AIを支えるインフラ構築には必要なコストだ。AIバブルには程遠い」

 米半導体大手エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)はそう断言した。1月下旬にスイス・ダボスで開催された世界経済フォーラム(ダボス会議)において、渦巻く「AIバブル論」を真っ向から否定した。

 フアン氏が示したのは、AIインフラ投資の対象となる「5層のケーキ」に見立てた構図だ。すなわち、(1)発電や冷却などの電力エネルギー、(2)半導体チップ、(3)クラウド・データセンター、(4)基盤モデル、(5)アプリケーションサービスーーの5領域である。いずれも、米巨大テックが天文学的な資金を投じている分野と重なる。

 すでにAIインフラ投資には数千億ドル(数十兆円)規模の資金が投じられている。それでもフアン氏は「さらに数兆ドル(数百兆円)が必要だ」と主張する。実際に、グーグル、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コム、メタの米ビッグテック4社の2025年の設備投資は総額3500億ドル(約54兆円)を超える見通しで、26年もこれを上回るのが確実視されている。

 これに加えて、米オープンAIのサム・アルトマンCEOは、33年までに総額1兆4000億ドル(210兆円)という桁違いの投資計画を打ち出し、AI投資競争は際限なく広がっている。

 果たして、回収のめどが見えないまま積み上がるAIインフラ投資は、これからどのように広がり、どのようなリスクがあるのか。

 次ページでは、米国AIインフラ投資の実像を「一目で分かる大図解」で解剖し、その“バブルの構造”を読み解く。