2024年から本格化する
外国人の「日本株爆買い」
加えて、24年の日本株には3つの「追い風」が吹きます。一つ目は、国策でもある「資産所得倍増プラン」です。投資家の間でも評判のいい新NISAが始まるなど、新たな投資家の参入によって必然的に投資に回されるお金が増えます。
二つ目は、紙幣の変更です。意外かもしれませんが、これによってタンス預金など表に出てきていないお金が出てくることが予想されます。それらが資産倍増の機運に乗って株式市場に流れ込んでくることも十分に考えられます。
三つ目は、海外からの資産シフトです。世界の超富裕層たちが日本に押し寄せるのではないかと予想しています。高いものを売って安いものを買うというのが、ビジネスの基本ですから、歴史的な円安下では日本は間違いなく「買い」でしょう。世界の経済大国で、30年以上も高値を超えていないマーケットは唯一日本だけです。海外投資家による日本株買いの動きが増えるだろうと読んでいます。
この資金シフトに関しては、その受け皿が着々と整えられつつあります。
先日、竣工した麻布台ヒルズが話題ですが、外国人が日本の不動産を購入する動きも円安で加速すると思われます。また、近年では海外の資産運用会社がこぞって日本で事業所を設立しています。リーマン・ショックで撤退してきたところも日本に戻ってきているのです。
外国人の買いが出ると株価が上がるとニュースなどでよく耳にしますね。では、現在外国人はどのくらい日本株を持っているのでしょうか。外国人の売り買いのデータを計算すると、2015年の19兆円の買い越しをピークに、徐々に下がっていき23年3月には−0.5兆円の売り越しになっています。つまり、外国人は日本株をそこまで保有していないということになります。この10年間、累計で考えると外国人は日本株を買ってきませんでした。
話が少し外れますが、代わりに日本株を買い続けたのは、日本企業。いわゆる自社株買いです。2023年5月の段階で24兆円も買い越しています。実は、これが日経平均を押し上げてきました。
話を戻すと、23年春の段階で外国人のポジションはほぼゼロ。つまり、外国人による日本株買いはこれから起こるのです。新聞の記事を見てみると、バフェットから始まって、ブラックロックやシタデルといった金融のビッグネームがこぞって日本のマーケットに進出してきています。
米大手投資ファンドのKKRが、アジアにおける最大の投資対象を中国から日本に変更すると明言するなど、アジアの金融ハブとしての日本の存在感は今後ますます高まっていくことと予想されます。