中国の習近平国家主席は2021年、中国が米国に代わって世界一の経済大国になるとのスローガンを世に広めた。「東昇西降(東側が台頭し、西側が衰退する)」というものだ。  同年に中国は新型コロナウイルスの大流行をほぼ抑え込み、10年ぶりの高い経済成長率を記録したが、米国はコロナの度重なる感染拡大とインフレ率の急上昇に苦しんだ。その年の秋に開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議でジョー・バイデン米大統領とオンライン会談する直前、習氏はこの数十年で最も強力な中国の指導者として正式に位置付けられた。