イスラームの聖人の眠る場所といわれるチョルバクル

シルクロードの新世界遺産「ザラフシャン―カラクム回廊」の圧倒的な遺跡・史跡群を巡るアブ・バクル・サイードとその息子の墓は、モザイクで飾られている(年々剥げ落ちている)

 ブハラ中心部から西へ約10km、カラヤと呼ばれる地区にある10世紀頃からのネクロポリス(墓石都市)。タジク語で「4人のバクル」を意味し、イスラームの預言者ムハンマドの同族で初代カリフであるアブ・バクル・サイードと、その3人の子孫が眠っていると信じられています。

 その言い伝えから、16世紀初頭にこの地の指導者ムハンマド・シェイバーニーが墓地を整備すると、有力者たちが競って墓を設けたり、ブハラのハン(王)の墓も置かれたりし、モスクやメドレセ(イスラーム寄宿学校)を併せもつ大きなネクロポリスとなりました。中央アジアのイスラーム教徒にとって、メッカ巡礼前に訪れるべき場所のひとつとされています。

シルクロードの新世界遺産「ザラフシャン―カラクム回廊」の圧倒的な遺跡・史跡群を巡るモスク前で老人が観光客の相手をしてくれる

 モスク前の広場では、老人が鳩の世話をしながら観光客にこの場所の重要性を語ってくれます(ウズベク語のみ)。この地域で生まれ育ち、定年を迎えた後チョルクバルでボランティア活動を始め、今ではモスクでのアザーンを担当することもあるそうです。

 ブハラから乗り合いバン(マルシュルートカ)も利用できますが、タクシーチャーターがおすすめ(片道23,000スムほど)。

※本記事は、2023年11月1日現在のものです。