こうしたやり取りは腹に据えかねますが、残念ながら、こういうどうしようもない人が世の中にはいるのです。

毒家族は変わらない、
と受け入れること

 自分の家族が毒家族だと気づくのは、必ずしもそう難しいことではありません。
 何より難しいのは、その事実を受け入れることです。

 家族はこういう人たちで、これからも変わらないのだと受け入れることが辛いのです。
 深い喪失感と絶望に襲われるでしょう。なぜなら、その現実を受け入れるということは、彼らとの関係の終わりを意味するからです。

 ですが、この痛ましい、残念な現実を受け入れたからと言って、家族との感情的なつながりが消えてなくなるわけではありません。
 たとえ縁を切ったとしても、自分の家族が毒家族であることを受け止めた以上、彼らから受けた傷や、現状を変えたいと切望する気持ちを通して、彼らとのつながりは、あなたの心の中に存在し続けます。

 ただし、一切の接触を絶ったあとは、彼らとの関わりに心乱されることはなくなります。

「彼らのいない人生」の
健全さを知ろう

 言い争いもなく、駆け引きもなく、支配も陰口も排斥も、自分を弁護する必要もなくなります。言葉を交わすことも、顔を合わせることもありません。
 絶縁によって、あなたを食い物にしようとする毒家族が、あなたの人生をめちゃくちゃにしようとするのを黙らせられるでしょう。

 あなたを虐げる者の無礼に慣れるよりも、彼らのいない人生に慣れるほうが健全です。

 縁を切ると、本当の自分を見つけ、そんな自分に返り咲くための余裕ができます。

 ひどい家族のもとで育ちながらも、1人の自立した人間として、毒家族に負けずに生きてきたあなた自身に、ふさわしい励ましの言葉をかけてあげてください。

シェリー・キャンベル(Sherrie Campbell, PhD)
毒家族に苦しむ人々を救う心理学者であり、家族との絶縁を手伝う専門家として全米で知られている。かつてBBM Global NetworkとTuneIn Radioで自身のラジオ番組「Dr. Sherrie Show」を主宰していた。講演者、SNSのインフルエンサーとしても知られ、メディアにも頻繁に取り上げられている。著書に『幸せになるには親を捨てるしかなかった』(ダイヤモンド社)などがある。

※本稿は、シェリー・キャンベル著 髙瀨みどり訳『幸せになるには親を捨てるしかなかった』(ダイヤモンド社)から再構成したものです。