自分にとって「害になる親」、つまり毒親からは逃げるしかない、とは言われますが、実際に毒親との絶縁は簡単なことではありません。絶縁してもなお追いかけてくる毒親、周囲からの残酷な言葉……ここでは実際に毒親と絶縁した経験を持つ著者が、同じ悩みを持つ人々へ苦しみから抜け出す糸口を綴った書籍『幸せになるには親を捨てるしかなかった』(シェリー・キャンベル著 ダイヤモンド社)から抜粋し、再構成して紹介します。

【毒親育ちの特徴】他人から「いい親」だと思われたい親が子供に信じ込ませた、あまりにも残酷なウソPhoto: Adobe Stock

「本当の自分になる」って
どういうこと?

 あなたがどのように育ってきたかを知ることで、本当の自分を見つけることができるでしょう。

「本当の自分になる」とは、誰かを喜ばせようとしたり、誰かの価値基準に合わせて生きたりするのをやめるということです。
 自分らしく在ることをあきらめずに、自然体で生きるのです。

 ただし、その過程では、安心するより先に痛みを感じることになるでしょう。
 本当の自分を探すとは、これまであなたが吹き込まれてきた、あなた自身についての嘘を振り払い、傷つくのではないかと恐れて、高く張り巡らしていた壁を低くする、ということですから。

子供は嘘ですら
信じ込まされる

 家族に悪し様に言われ、刷り込まれてきた嘘を捨て始めたとき、私は最初、怒り心頭に発しました。
 私はそれまで、家族が正しくて、私が悪者なのだと心から信じてきたのです。
 私は子供だったがゆえに、このような嘘を信じてしまいました。

 子供というのは、嘘を判別できるほどの経験がないために、家族に言われたことなら何でも信じてしまいます。

「悪者」というのが私に与えられた役目であり、私はあらゆる問題の原因として家庭内に居場所を与えられていました。
 毒家族は、すべての責任をなすりつけられる生贄(いけにえ)の存在なくしては、頂点に君臨し続けることができないのです。
 少なくとも誰か1人は、トラウマを発露するように仕向ける相手を作り、その1人がすべてのトラブルの原因であるかのように扱います。

 このように1人を悪者に仕立て上げることで、他の家族はその人を虐(しいた)げることへの免罪符を手に入れるのです。