株式投資歴30年以上のベテラン専業投資家『賢明なる個人投資家への道』の著者・かぶ1000さんは、中学2年生のころから体育のジャージ姿で地元の証券会社に通い詰め、バブル紳士にはお金儲けのイロハを教えてもらった。中3で300万円、高1で1000万円、高2で1500万円へと株式資産を増やし、会計系の専門学校卒業後、証券会社の就職の誘いを断って専業投資家の道へ。2011年に“億り人”になると、2023年には累積利益5億円を突破! アルバイト経験さえない根っからの専業投資家が、お金の増やし方を徹底指南する!
※本稿は、『賢明なる個人投資家への道』より一部を抜粋・編集したものです。
ステージ2 株式資産500万~1000万円未満
(年間期待運用収益:50万~100万円未満)の投資法
●追加入金を控えて真剣勝負
●国民年金並みの収益を期待(最低限の生活の支えが得られる)
●自分に合った投資スタイルの確立を進める
●3~5銘柄に絞って徹底的に調べてから買う
株式資産500万円を境に
元手500万円未満なら、お気に入りの1~2銘柄を選び、そこに全力で投資してもよいと思います。たとえ値下がりしても、それほど大きな損失にはならないからです。
仮に300万円で買った銘柄が10%下落しても、含み損は30万円で済みます。
しかし、株式資産500万~1000万円未満のステージ2に入ったら、1~2銘柄への全力投資は控えたほうがいいです。
年間±50%の幅で
変動する銘柄も
たとえば、株価の上下動(ボラティリティー)が大きい銘柄では、年間±50%の幅で株価が変動することもあります。
トヨタ自動車(7203)や任天堂(7974)のように知名度が高く、時価総額が大きな大型株では滅多にありませんが、知名度が低く時価総額も小さな小型株では、株価の変動率は大きい傾向があります。
大きく儲けられるチャンスがある半面、大きな損失を負うリスクを抱えているのです。
大きな含み損を
抱えるメンタル
±50%だと、100万円なら50万~150万円の値動きですが、1000万円になると500万~1500万円の値動きになります。
含み益を抱えているうちはよいのですが、500万円もの含み損を抱えると不安でたまらなくなる場合もあると思います。
大型株なら心配無用ですが、小型株だと売りたいときに売れないことも考えられます。
売りたいときに
売れないリスク
小型株は出来高(売買数量)が少なく、売買が活発ではないため、買い手も限られるのです。
ステージ1で2単元だけ持っているなら、小型株でも売り抜けられるでしょうが、ステージ2で100単元(1万株)も持っていたら、売りたいときに売れないことも考えられます。
「ストップ高」と「ストップ安」
日本には、市場全体の混乱を招く株価の異常な値動きを防ぐため、1日あたりの株価の上下幅を制限する仕組み(値幅制限)があります。
値幅制限は、基準となる株価で異なりますが、1株1000円以上1500円未満の銘柄で制限される上下の値幅は300円。
値幅制限の上限まで株価が上昇することを「ストップ高」、下限まで下落することを「ストップ安」といいます。
連日ストップ安になることも
前日の終値が1株1000円の銘柄の場合、1株700円になるとストップ安、1株1300円になるとストップ高になります。
小型株が下落する際は、2日連続でストップ安になることがよくあります。
仮に1株1000円の小型株を1000万円(1万株)買って、次の日に1株700円まで下落してストップ安になったとしたら、1日目で約300万円の含み損。次の日も1株550円まで下落してストップ安になったとしたら、450万円まで含み損が拡大します。
3~5銘柄に分散投資
わずか2日間で投資額がほぼ半減して、平均的なサラリーマンの年収に匹敵する含み損を抱えることになるのですから、並の個人投資家は青ざめて冷静な判断が下せなくなるでしょう。
大切なのは、身の丈に合った適度な分散投資です。1つの銘柄に絞って全力で投資すると、先述のようにたった2日間で投資額がほぼ半減するといった大きな含み損を抱える恐れもあります。
投資額が増えれば増えるほど、卵を1つのカゴに盛ってはいけないのです。でも、あまり過度に分散投資するのも考えものですから、ステージ2では、3~5銘柄に分散するのがよいでしょう。
※本稿は、『賢明なる個人投資家への道』より一部を抜粋・編集したものです。