家族が絶縁後も、贈り物やカードを通して執拗にあなたにかまうのは、周囲に対して自分たちが「善良な人間」であるというイメージを作り上げ、あなたについて吹聴している悪口の信憑性を高めるためです。

 彼らは決してあなたのために物やカードを送るのではありません。
 あなたを支配したいがために送るのです。

嘘を信じて
敵となる人たち

 部外者であるあなたの友人、子ども、いとこ、叔母、叔父、恋人は、優しい言葉の裏に隠された本当の意図を見抜けず、家族の言葉を真に受けてしまい、「向こうは歩み寄ろうと努力している」と言うかもしれません。

 あなたの家族が、「善良であること」よりも「善良に見えること」を優先するような人たちだと理解してもらうのは難しいことです。

 毒家族の見せかけの感情を鵜呑みにした人たちは、あなたを悪者だと決めつけます。家族の歩み寄りに応えようとしない不届き者だとして、糾弾してくる人もいるかもしれません。

 こうした部外者が、間違った思い込みによってあなたの敵に回ることこそが、二次的虐待なのです。

あなたには、そこを
立ち去る権利がある

 絶縁後は、このように周囲の人たちが、あなたの家族の嘘や外面を真に受けて丸め込まれるのは、立ち直るための旅においてはどうせ起こること、くらいに考えて受け流せるようになるといいでしょう。

 なぜなら、あなたが彼らに立ち向かってまで守るべきものは、何一つないからです。

 貴重な時間と精神的な労力を使ってまで、あなたについての悪しき嘘を信じ込むような人たちの信用を得る必要はありません。

 あなたの家族が本当はどんな人たちなのかは、あなた自身が一番よくわかっています。
 大事にされず尊重されないのなら、その輪から去る権利があなたにはあります。そして、その決断について誰かを説得する必要はないのです。

虐待を疑い、
あなたを責める人もいる

 あなたが受けている虐待が、「本当に虐待なのか」と大切な人たちに疑われるのも、二次的虐待を受けていることになります。

 あなたを、自身が支配されそうになっていることをしっかりと認識している聡明な人間ではなく、理不尽で繊細すぎる、と捉える人は大勢いるでしょう。

シェリー・キャンベル(Sherrie Campbell, PhD)
毒家族に苦しむ人々を救う心理学者であり、家族との絶縁を手伝う専門家として全米で知られている。かつてBBM Global NetworkとTuneIn Radioで自身のラジオ番組「Dr. Sherrie Show」を主宰していた。講演者、SNSのインフルエンサーとしても知られ、メディアにも頻繁に取り上げられている。著書に『幸せになるには親を捨てるしかなかった』(ダイヤモンド社)などがある。

※本稿は、シェリー・キャンベル著 髙瀨みどり訳『幸せになるには親を捨てるしかなかった』(ダイヤモンド社)から再構成したものです。