自分にとって「害になる親」、つまり毒親からは逃げるしかない、とは言われますが、実際に毒親との絶縁は簡単なことではありません。絶縁してもなお追いかけてくる毒親、周囲からの残酷な言葉……ここでは実際に毒親と絶縁した経験を持つ著者が、同じ悩みを持つ人々へ苦しみから抜け出す糸口を綴った書籍『幸せになるには親を捨てるしかなかった』(シェリー・キャンベル著 ダイヤモンド社)から抜粋し、再構成して紹介します。
絶縁しても
毒家族はあきらめない
私自身とクライエントの経験談を見ると、たとえこちら側から連絡を取るのをやめても、家族が虐待と支配をあきらめない場合が多いことがわかると思います。
その頻度は劇的に落ち、やり口は変わるかもしれませんが、完全にはなくなりません。
家族は、境界線を無視して、あなたの人生にあの手この手で干渉してくるので、ここではその手口について触れていきます。
第三者から受ける
二次的虐待
二次的虐待とは、二次的な人が、あなたに対して行われている虐待に気づけなかったり、事の次第を理解、もしくは確認できないときに見せる反応のことです。
二次的な人とは、虐待の当事者でない第三者のことで、彼らの多くは虐待を目の当たりにしても、陰湿な精神的虐待を認識できません。
こうした人々が、虐待に対するあなたの反応を責めたり、疑ったりすることを二次的虐待と言います。
あなたに説教して、言い聞かせようとする人は少なくないでしょうが、それ以前に、あなたを疑い、圧力をかけること自体が二次的虐待なのです。
また、あなたをよく知りもしない人たちが、あなたをひどく出来の悪い人間だと思い込み、家族の諍(いさか)いに参戦して攻撃してくることもあります。あなたに対する誤解が刷り込まれているせいで、深く考えもせずに虐待に加担するのです。
毒家族は大抵、徒党を組んで虐待をします。
「贈り物」には
毒が仕込まれている
接触不可のルールを設けたあとも、家族はあなたにプレゼントや季節のカードなどを送り、接触を図ってくるかもしれません。
そして、そうしたプレゼントやカードには、第三者にはわからない攻撃的なメッセージが隠されていることがよくあります。
私も絶縁して最初の2年間は、家族から、私たちの関係性の実態に全くそぐわない、気味の悪いほど優しい言葉が書き綴られたメッセージが送られてきました。これまでの非道な仕打ちなどなかったかのような顔でプレゼントやカードを送ってきたのです。
虐待の事実を無視して、大げさな言葉や豪華な贈り物を寄越してきたところで、本当の謝罪にはほど遠いですし、それによって関係が修復されることもありません。
毒家族は心にもないことを言って、巧妙にあなたに関わろうとしてきます。
毒家族は一見、愛情の詰め合わせに見えるものを送りつけてきて、虐待の手を伸ばしてきます。