「ジャンク品」集めるワケ

「これ俺のじゃん!」自分のファミコンソフトがテレビに…ファミコン40周年の年に起きた“小さな奇跡”遠藤さんの思い出話に耳を傾ける関さん(右) Photo by Ryosuke Kamba

 実は関さんも当初は、綺麗なカセットだけを収集していた。ファミコンの全タイトルをコンプリートすることを目指し、1991年頃から買い集め始めたという。ところが、すでに先行して達成している人がいることを知り、一度はやる気を失ってしまう。

 コレクションへの情熱を取り戻すキッカケになったのが、2003年10月に米サンディエゴのゲーム店で見つけた、NES(海外版ファミコン)の「リンクの冒険」だった。

「これ俺のじゃん!」自分のファミコンソフトがテレビに…ファミコン40周年の年に起きた“小さな奇跡”関さんが米国で出会った『リンクの冒険』 Photo by Ryosuke Kamba

 金色に輝くカセットの裏側には、元の持ち主の名前と思しき「Teresa」の文字。ゲームに名前を書くのは日本だけだと思い込んでいたが、「アメリカ人も名前を書くのか!」と新鮮な驚きがあった。

「これって世界共通なんだ。いままで避けてきたけど、名前入りの方がむしろレアなんじゃないか」

 コレクションの方向性を転換し、名前入りカセットばかりを集めるようになった。2016年に博物館の活動をスタート。現在では、名前入りカセットの所蔵数はスーパーファミコンやゲームボーイなども合わせて1500本を超える。