今回のAPECでは、冒頭の集合写真を見るとバイデン大統領だけでなく、全体的に男性各国首脳陣のスーツ色が明るめになってきているのを感じます。

 カナダのジャスティン・トルドー首相は、グレースーツ。他にも、私が相当の洒落者と見込んでいるインドネシアのジョコ・ウィドド大統領も、明るいブルーのスーツにネクタイは赤で、開催国米国の星条旗にオマージュを捧げている印象を受けます。

 中には、チリのガブリエル・ボリッチ大統領のように、ノーネクタイで挑む首脳の姿も。

 このように、フォーマルな装いの中でも軽めのスーツスタイルが目につくようになってきた反面、クラッシックな装いで際立つリーダーもいます。

APEC参加国の首脳の中で
「ベストドレッサー」は誰?

 この面々の中でのベストドレッサーは、なんといってもブルネイのハサナル・ボルキア国王兼首相でしょう。

 ボルキア国王は君主らしく、軍服で式典に臨む姿もよく見受けられ、とてもりりしいいでたちです。

 スーツに関しては、ピークドラペル(襟に剣先があり、尖っているもの)を好んで着用しているように見受けられます。ピークドラペルは礼装やダブルブレストジャケット(前のボタンが2列になっているジャケット)には標準の襟型ですが、シングルスーツにあえて取り入れることで、フォーマル度を高めたスタイリングになります。

 このサンフランシスコでのAPECでも、ボルキア国王はピークドラペルのスーツで会議に出席していました。

APECでの首脳集合写真に臨むボルキア国王APECでの首脳集合写真に臨むボルキア国王 Photo:AP/AFLO