「道端で突然からまれた」「電車内で不審人物が近くにいる」……日常生活で大なり小なり怖い思いをした方は多いのではないでしょうか。そんなときにはなるべく被害を受けずにその場からうまく離れたい……、でも護身術を習うのは難しそう……。そこで今回は、全国規模で護身術を指導する団体「剣護身術」の代表・ヒーロ黒木さんの新刊『ラクにのがれる護身術』(青春出版社刊)から気弱な人でも非力な人でもとっさに使える自己防衛法について抜粋して紹介します。
「臆病な自分」を恥じる必要はありません
私はこれまで1万人を超える方々に護身術を指導してきました。
その中で皆さんに強くお伝えしているのが「困難な状況でしぶとく生き延びる、決して折れないしなやかな強さ」。その点で重要になるのが“臆病であること”です。
「臆病」であること、というのは多くの方がネガティブなイメージを持ってしまいがちです。それゆえ、「臆病な自分」に気づいたとき、人はショックを受け、己を恥じ、自分を責めてしまうことが多いです。
私は、臆病であることは恥ずかしいことではない、と考えています。
確かに格闘技では、勇敢さや勝利への意欲が求められます。しかし、予測不能な危機的状況のなか、自分の身を護り、無事に生還するためには、勇敢さだけではなく、「臆病さ」も重要な役割を果たしてくれるのです。