不意の攻撃にも迅速に対処できる「究極の構え」

 格闘技には、それぞれ独特の構えが存在します。キックボクシングに代表される打撃系の構えや、レスリング、柔道のような組み技の構えがあり、武道においても、武器の種類によって構えが変わります。構えは、その格闘技や武道の特性を表しています。

 じつは、護身術にも構えがあります。

 護身術はリスクを最小限に抑えるために、近づきにくい雰囲気を醸し出す構えでなければなりません。それが「青眼の構え(せいがんのかまえ)」です。剣護身術では“護身術の究極の構え”と呼んでいます。

 この「青眼の構え」は、2009年に全国展開を始めた当初から存在しており、剣護身術の“平和的思想”が反映された汎用性の高い構えです。

 “青眼”と言うと、ご存じの方は剣術の「正眼(青眼)の構え」を思い出すのではないでしょうか。剣術の「正眼の構え」は、攻防ともに隙のない構えであり、剣先を相手の正中線(顔や目)に向けることで、攻撃しづらい状態を作ります。

 剣道の試合で、お互いが構えたまま動かないシーンを目にしたことも多いでしょう。これは、構えによって双方が隙を見せないため、簡単には攻撃を仕掛けられない状態を示しています。

 この「正眼の構え」を護身術に適用したのが、剣護身術の「青眼の構え」なのです。

 この「青眼の構え」によって、次の効果が期待できます。

(1)相手に心理的な壁を感じさせる。
(2)手を伸ばし、顔を隠すことにより、相手に対して距離感をもたせる。
(3)掌効果※で、相手の敵対心を和らげる効果がある。(※掌効果:掌を見せることで相手の攻撃的な気持ちや緊張を和らげる効果があるとされています)

 この3つの効果により、「近づきにくい雰囲気」を生み出し、さらに相手に敵意を持たせずに会話を通じた解決も望めます。