日本の富裕層では手が届かない
あまりにも高い価格帯
二番目の特徴は「世界から人が集まる」ことを意識した開発です。象徴的な施設を二つ挙げると、ベンチャーキャピタル70社が集結する「Tokyo Venture Capital Hub」は起業家と世界をつなげる機能になりえます。さらに、インターナショナルスクールである「ブリティッシュ・スクール・イン東京」は逆に世界から日本にやってくる家族を受け入れる場として機能しそうです。
そして三番目の特徴は「街としての高額さ」です。「富裕層にも手が届かない」といった方がイメージが湧きやすいかもしれません。
日本では金融資産が1億円以上ある世帯は富裕層に分類されますが、その大半は金融資産1億~3億円の世帯です。そういった日本のマジョリティーの富裕層から見れば、麻布台ヒルズはなかなか手が届く場所ではありません。
すでに順調に契約が進んでいるレジデンス施設の価格帯を見るとそれがわかります。日本一の高層ビルになる麻布台ヒルズ森JPタワーは最上部の54階から64階が居住用の分譲マンション「アマンレジデンス東京」になります。その分譲価格は最低価格20億円、最高価格300億円とうわさされています。
事実としては間違いなく、これまでの日本のマンション価格の記録を大幅に更新したはずです。
一方で、もう少しお手頃なのが賃貸で入れる麻布台ヒルズレジデンスのAとBの二つのタワーです。東京の高級賃貸マンションといえば、3LDK以上の間取りで1カ月の家賃が300万円前後というのが、これまでの一番高いクラスの相場でした。
代官山にある「ラトゥール代官山」の500m2の部屋の家賃月500万円がこれまで日本で一番高いといわれていましたが、麻布台ヒルズレジデンスの賃貸価格はこれらの相場を超えてくるとうわさされています。
そしてこのうわさには根拠があって、そもそも麻布台ヒルズのエリアは東京でも最も地価が高いエリアであるうえに、総工費は約5800億円と森ビルから見れば六本木ヒルズの倍の投資になっています。
全体の開発の中でも特に住宅に力を入れているということなので、論理的に考えれば麻布台ヒルズの分譲価格も賃貸価格もこれまでの日本記録を超えてくるのは当然といえば当然のことでしょう。