「日本人には手が届かない街、東京」が
着々と構築されている

 しかし、ここで一つ問題が生じます。残念なことに、1990年代から2020年代までの30年余りで世界の中で日本は没落してしまいました。結果として世界が注目する東京の街を設計すると、それは「大半の富裕層には手が届かない街」になってしまうのです。

 そしてそれにもかかわらず、新たに開業する街は好調に販売され、比較的早い時点で完売していきます。同時に高価なオフィスは順調に埋まり、高額なホテルはインバウンド客が平然と長期滞在をしていくことで成り立つようになっています。海外の超富裕層や超巨大企業から見れば東京の再開発の価格は高くはないからです。

 では、この「日本人には手が届かない街、東京」はあるべき未来の街なのでしょうか?

 これは日本経済全体にとって非常に重要な問題です。いろいろな方がじっくり考えるべき命題だと思います。