いよいよ新NISAがこの1月に導入されるが、何か投資をしたいのに最初の一歩が踏み出せないという人も多いだろう。そんな人たちに話題なのが、「金銭的自立を目指す全ての人が読むべき」「『金持ち父さん 貧乏父さん』以来の衝撃の書!」と絶賛されている全米ベストセラー『JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則』だ。本稿では、本書の内容を一部抜粋・編集しながら、時間の大切さについて紹介しよう。
人類史上屈指の忍耐力の物語
あまり知られていない、人類史上屈指の忍耐力の物語がある。
この物語はインド北東部のジェラー村から始まる。
この村は隣村から遠く離れ、孤立した場所にあった。物資や治療が必要なとき、村人は山の尾根を迂回する危険な道を50キロメートルも歩かなければならなかった。
ある日、村の女性が尾根沿いの道を歩いている最中に転び、ケガをした。
彼女のケガを知った夫のダシュラート・マンジーは、その夜、「これ以上、この危険な山道を歩かせるべきではない。山を削って道を切り開く」と決意した。
翌日、マンジーは槌とノミだけで尾根を削り始めた。
地元の村人たちからは、「そんなことは無理だ」と嘲笑された。
だが、決してあきらめなかった。
「マウンテン・マン」と呼ばれた理由
それから22年、マンジーは一人で、昼夜問わず山を切り崩し続け、最終的に、長さ110メートル、幅9.1メートル、深さ7.6メートルの道を切り開いた。
1980年代前半に道を完成させるまでに、約765万リットルの岩を移動させたことになる。
マンジーは、「マウンテン・マン」と呼ばれるようになっていた。
この道をつくったことで、隣村への移動距離は55キロメートルから15キロメートルに短縮された。
グーグルマップで「Dashrath Manjhi Passthrough」と検索すると、20年以上に及ぶマンジーの労力の結晶をストリートビューで見ることができる。
ただし残念ながら、このミッションの発端となった妻は、この道が完成する数年前に亡くなってしまった。
驚異的な「目に見えない時間の価値」
マンジーの物語は、驚異的な「目に見えない時間の価値」を示している。
マンジーには、山を切り開くために建設作業員に払う金はなかった。
だが、時間だけはあった。
時間は、私たちにとってなによりも重要な資産である。
20代、30代、40代で時間をどう使うかは、50代、60代、70代の人生に大きく影響する。
残念ながら、この大事なことに気づくまでに多くの時間がかかる。私の場合もまさにそうだった。
(本稿は、『JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則』の一部を抜粋・編集して構成したものです)